治療と予防肺炎は、命にかかわる場合もあり、また、高齢者ではその後の生活の質を悪化させる病気ですから、肺炎に罹りやすい高齢者や何らかの病気を持つハイリスクの人では、予防をすることが将来の健康にとって最も重要です。
栄養を充分に取り規則正しい生活をして抵抗力を高める、持病は治療する、口内の清潔や飲み込みの機能を保ち誤嚥を起こさない工夫をする、禁煙、うがいや手洗い、インフルエンザに罹らないようにする、など多方面からの対策が予防につながります。
ワクチン接種も予防に効果的です。肺炎球菌による感染症をあらかじめ予防する目的で利用されているのが肺炎球菌ワクチンです。
現在日本では、高齢者に対して15価、20価、および21価肺炎球菌結合型ワクチンと23価肺炎球菌ポリサッカライドワクチンの4つの肺炎球菌ワクチンが接種できます。
肺炎球菌ワクチンは、菌の表面にある莢膜という成分で作られています。これを接種することにより、体に肺炎球菌に対する免疫をもたせるのです。肺炎球菌結合型ワクチンは肺炎球菌の莢膜成分に蛋白を結合させることにより効果を高めたワクチンで、免疫機能が未発達な小児でも効果を表すことから小児を対象として接種が始まり、その後成人の接種も承認されました。
肺炎球菌には100種類以上の異なるタイプ(血清型)がありますが、4つのワクチンは予防できる血清型の種類や数がそれぞれ違っています。
日本で接種できる肺炎球菌ワクチン
| 肺炎球菌結合型ワクチン | 肺炎球菌莢膜 ポリサッカライド ワクチン |
|||
|---|---|---|---|---|
|
15価ワクチン (バクニュバンス) |
20価ワクチン (プレベナー20) |
21価ワクチン (キャップバックス) |
23価ワクチン (ニューモバックス) |
|
| ワクチンの種類 | タンパク結合ワクチン | 莢膜多糖体ワクチン | ||
| 含有する莢膜型 | 15種類 | 20種類 | 21種類 | 23種類 |
| 適応年齢 | 全年齢 | 高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる成人 | 2歳以上 | |
| 定期接種対象 | 2か月〜5歳(4回) | 2か月〜5歳(4回) 65歳(1回) |
||
国際医療福祉大学 松本 哲哉