治療と予防治療と予防

ワクチンの接種の方法は?

年齢などによって推奨される
ワクチンが異なりますので、

自分に合った方法を
病院と相談して決めましょう。

定期接種と任意接種

現在65歳および60〜64歳で肺炎球菌感染のリスクとなる疾患を持つ人を対象に23価莢膜ポリサッカライドワクチンが定期接種となっています。

定期接種とは、予防接種法に基づいて自治体が接種するワクチンのことで、行政からの助成が受けられます。

肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチンは定期接種で1回受けることができます。
現在までのところ全国の定期接種対象者の接種率は30〜40%程度と報告されていて、まだ充分とは言えません。

一方、肺炎球菌結合型ワクチンは、肺炎球菌の成分にジフテリアトキソイドという蛋白を結合させることにより効果を高めたワクチンで、免疫機能が未発達な小児でも効果を表すことから、2013年に小児を対象として肺炎球菌感染症予防のための定期接種が始まりました。
その後2014年から65歳以上の人に対して任意接種(自己負担)が承認され、2020年には5〜64歳の肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる人へも承認の範囲が広がりました。

定期接種と任意接種

定期接種
  • 予防接種法により国民に一定の年齢枠で市町村が実施するワクチン
  • 行政からの助成あり
任意接種
  • 定期接種と臨時接種以外のワクチン
  • 自己負担あるいは一部助成

2種類の肺炎球菌ワクチンについて

肺炎球菌には90種類以上の異なるタイプ(血清型)があります。肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチンは23種類、肺炎球菌結合型ワクチンは15種類あるいは20種類の血清型の肺炎球菌感染症を予防します。

肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチンは幅広い血清型の肺炎球菌に対応でき、対象者であれば補助を受けて接種することができます。しかし、免疫効果は結合型ワクチンに比べて弱く持続が短いと考えられます。

一方、肺炎球菌結合型ワクチンはジフテリアトキソイドを結合させたことにより、長い期間高い免疫効果が望めます。しかし、対応できる血清型は莢膜ポリサッカライドワクチンより少なく、現在成人の接種に補助は受けられません。

2種類のワクチンの違い

価肺炎球菌莢膜
ポリサッカライドワクチン
肺炎球菌結合型ワクチン
長所
  • 対応できる血清型が幅広い
  • 当該者は定期接種として受けられる
  • 高い免疫効果を持ち、長期間持続する
  • ブースター効果(追加の接種で効果が増す)も期待できる
短所
  • 免疫効果が結合型ワクチンと比較して弱い
  • 5年ごとの接種が勧められる
  • 対応できる血清型が莢膜ポリサッカライドワクチンに比べ少ない
  • 成人では任意接種である
文責:東京医科大学 宮崎 治子

国際医療福祉大学 松本 哲哉

最終更新日:2024年10月23日