ワクチンQ&AワクチンQ&A

肺炎球菌ワクチンQ&A

今66歳以上ですが、これまで肺炎球菌ワクチンを受けたことはありません。どのような肺炎球菌ワクチンを受けたら良いですか?

23価莢膜ポリサッカライドワクチン又は20価結合型ワクチン、あるいは15価結合型ワクチンと23価ワクチンの連続接種のどれかを選択できます。
どれも任意接種となります。医師と相談して選択することをお勧めします。

以前に一度23価ワクチンを受けたのですが、
また接種した方が良いですか?

ワクチンによる免疫の効果は5年以上続くと考えられていますが、その後弱まっていきます。
5年以上経過したら、再接種をお勧めします。ただし、既に接種したことのある方は定期接種の対象ではありません。
また、過去5年以内に23価ワクチンを接種されたことのある方が再度接種された場合、注射部位の腫れや痛みが、初回接種よりも起こりやすく、強く出るという報告がありますので、いつ受けたかを確認してください。
一方、1年以上経っていたら、15価又は20価結合型ワクチンを受けることもできます。

肺炎球菌のワクチンにも副作用があると思いますが、大丈夫でしょうか?

多くみられる副反応は、接種した部位の腫れや痛みですが、2〜3日で治まる軽いもので、心配はありません。他に倦怠感や頭痛、発熱がみられる場合もあります。
重い副反応はごく稀ですが、強いアレルギー反応や皮膚の反応、血液の異常、ギランバレー症候群などの報告があります。体調に変化があった場合はすぐに医師にご相談ください。
万が一、定期の予防接種により健康被害が発生した場合には、救済給付を行うための制度があります。お住まいの市区町村にご相談ください。
任意接種によって健康被害が起こった時にも、独立行政法人医薬品医療機器総合機構 による救済制度があります。

3種類の肺炎球菌ワクチンのどれを自分が受ければ良いのかわかりません。簡単にポイントを教えてもらえませんでしょうか?

高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる方であればどれも受けることができます。
これまでワクチンを受けたことがない方で定期接種の対象年齢であれば、23価ワクチンを定期接種として受けることをお勧めします。お住まいの市町村にお問い合わせください。
現在、定期接種の対象でない方は、医師と相談して選択することをお勧めします。23価ワクチンは定期接種の対象年齢になったら、15価か20価ワクチンを接種された方でも補助の対象として受けることができます。

肺炎球菌ワクチンはインフルエンザワクチンと同時に接種しても大丈夫でしょうか?

インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの同時接種については、一定の安全性が確認されていますので接種可能です。
これら2つのワクチンの併用によって、インフルエンザや肺炎の発症や入院率、死亡率が減少することが確かめられていますので、ともに是非受けていただきたいワクチンです。

肺炎球菌ワクチンの接種にどれくらい費用がかかるのでしょうか?

23価ワクチンの定期接種は各自治体が指定する医療機関で受けることができ、無料〜5,000円程度です。助成内容は自治体によって異なりますので、お住まいの市町村へお尋ねください。
23価ワクチンを任意接種で受ける場合は、8,000円前後の自己負担が必要です。
また、15価および20価ワクチンは9,000〜1,2000円程度の自己負担が必要です。
詳しくは医療機関にお尋ねください。

肺炎球菌ワクチンの効果はどれくらい続くのでしょうか?

個人差はありますが、23価ワクチンは5年間は効果が続くと考えられています。
15価と20価ワクチンはさらに長い期間効果が持続しますが、15価ワクチンを接種した後1年が過ぎたら、より広い(血清)型の肺炎球菌に対応する23価ワクチンを接種するとブースター効果により効果が高まります。

私はもう80歳を超えましたので、肺炎球菌ワクチンを受けても意味がないと思いますが、どうでしょうか?

むしろ高齢の方こそ、積極的に肺炎球菌ワクチンを受けていただきたいと思います。高齢になるほど、肺炎に罹りやすいことが分かっています。
肺炎を起こすすべての菌に対して効果があるわけではありませんが、ワクチンを受ける意味は充分にあるのではないでしょうか。健康長寿を目指しましょう!

文責:東京医科大学 宮崎 治子

国際医療福祉大学 松本 哲哉

最終更新日:2024年10月23日